初期Kienböck病に対して橈骨楔状骨切り術を行った3例
当施設から過去に進行期のKienböck病に対する橈骨楔状骨切り術の成績を報告した.一方で,初期のKienböck病に対する橈骨楔状骨切り術の有効性は知られているものの,まとまった報告は少ない.今回我々は当院で行った初期Kienböck病に対する橈骨楔状骨切り術の3例について報告する.2014年から2019年の間に当院で橈骨楔状骨切り術を行った初期Kienböck病3例3手を対象とした.全例stageⅡの女性,平均年齢30歳,平均経過観察期間は19.6か月であった.手術は矯正角15度による橈骨楔状骨切り術を行い,1例は短縮骨切りを併用した.診療録を後ろ向きに調査した結果,全例で術前の症状改善を...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 70; no. 3; pp. 449 - 452 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2021
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.70.449 |
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Summary: | 当施設から過去に進行期のKienböck病に対する橈骨楔状骨切り術の成績を報告した.一方で,初期のKienböck病に対する橈骨楔状骨切り術の有効性は知られているものの,まとまった報告は少ない.今回我々は当院で行った初期Kienböck病に対する橈骨楔状骨切り術の3例について報告する.2014年から2019年の間に当院で橈骨楔状骨切り術を行った初期Kienböck病3例3手を対象とした.全例stageⅡの女性,平均年齢30歳,平均経過観察期間は19.6か月であった.手術は矯正角15度による橈骨楔状骨切り術を行い,1例は短縮骨切りを併用した.診療録を後ろ向きに調査した結果,全例で術前の症状改善を認め,特筆すべき合併症の出現はなかった.単純X線評価では全例骨癒合が得られており,stageは進行せずLCRの上昇を認めた.月状骨被覆率改善による圧分散は良好と思われ,術後比較的早期の症状改善認めたこと,尺骨変異に関係なく選択可能なことからも橈骨楔状骨切り術は有用な術式である. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.70.449 |