両眼に強度乱視を伴う屈折異常弱視に対して12歳から弱視治療を行った1例

【緒言】感受性期のピークを過ぎた両眼に強度乱視を伴う屈折異常弱視に対し、トーリックハードコンタクトレンズ(toric HCL)を用いて屈折矯正を行い、良好な視力を得られた一例を報告する。 【症例】11歳11か月女児。6歳時の学校健診にて視力低下を指摘され近医を受診。強度乱視に対して眼鏡処方されたが、装用できなかった。紹介初診時、矯正視力は両眼ともに(0.1)、調節麻痺下他覚的屈折値は右-3.75D Cyl-5.50D Ax175°、左-2.75D Cyl-6.50D Ax15°と高度な乱視が検出され、屈折異常弱視としてtoric HCLを処方した。7か月後には両眼ともに(1.0)と良好な視力が...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 53; pp. 59 - 63
Main Authors 五十嵐, 彩夏, 得居, 俊介, 野田, 聡実, 中尾, 敦子, 三村, 夏央里, 秋山, 英雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2023
日本視能訓練士協会
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Summary:【緒言】感受性期のピークを過ぎた両眼に強度乱視を伴う屈折異常弱視に対し、トーリックハードコンタクトレンズ(toric HCL)を用いて屈折矯正を行い、良好な視力を得られた一例を報告する。 【症例】11歳11か月女児。6歳時の学校健診にて視力低下を指摘され近医を受診。強度乱視に対して眼鏡処方されたが、装用できなかった。紹介初診時、矯正視力は両眼ともに(0.1)、調節麻痺下他覚的屈折値は右-3.75D Cyl-5.50D Ax175°、左-2.75D Cyl-6.50D Ax15°と高度な乱視が検出され、屈折異常弱視としてtoric HCLを処方した。7か月後には両眼ともに(1.0)と良好な視力が得られた。 【結論】12歳の両眼に強度乱視に伴う屈折異常弱視に対し、toric HCLが有効であった症例を経験した。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.53F109