T1b声門癌CO2レーザー手術

「はじめに」 最近では喉頭癌に対する治療においても, QOLの立場から癌の根治性を高めながらも音声障害を最小限に留める治療方法が要求されている. 喉頭癌の手術にレーザー技術が導入されて以来1), 音声源である喉頭保存率の向上を図ろうとする意図から顕微鏡下のレーザー手術が単独あるいは放射線治療などとの併用により, その治療の役割を追求する試みが広く行われるようになってきている2~6). 声門癌に対するレーザー手術の最も良い適応は声帯膜様部に限局するT1a病変といわれ, 術後の音声も実用上問題のない程度とされている. 今回, 当教室でのCO2レーザー手術症例の術後の音声を検討することによりT1bに...

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Published in喉頭 Vol. 7; no. 2; pp. 117 - 123
Main Authors 桜井, 一生, 高須, 昭彦, 竹内, 健二, 岩田, 義弘, 岩田, 重信, 森, 茂樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 1995
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx1989.7.2_117

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Summary:「はじめに」 最近では喉頭癌に対する治療においても, QOLの立場から癌の根治性を高めながらも音声障害を最小限に留める治療方法が要求されている. 喉頭癌の手術にレーザー技術が導入されて以来1), 音声源である喉頭保存率の向上を図ろうとする意図から顕微鏡下のレーザー手術が単独あるいは放射線治療などとの併用により, その治療の役割を追求する試みが広く行われるようになってきている2~6). 声門癌に対するレーザー手術の最も良い適応は声帯膜様部に限局するT1a病変といわれ, 術後の音声も実用上問題のない程度とされている. 今回, 当教室でのCO2レーザー手術症例の術後の音声を検討することによりT1bにおける術後嗄声の要因と対策について考えてみた. 「I.調査対象の背景および検査方法」 1981年(S.56)から1994年(H.6)8月までの間にCO2レーザー治療が行われた声門癌25症例(Tis:7例, ・T1a:11例, T1b:7例)および放射線単独で治療された9例(T1a:3例, T1b:2例, T2:4例)を調査した.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx1989.7.2_117