下咽頭喉頭転移性悪性黒色腫の1例

「はじめに」喉頭・下咽頭への転移性腫瘍は稀であるが, その中では皮膚原発悪性黒色腫の転移例が比較的多いとされている1). 今回, 我々は下咽頭から喉頭にかけての転移性悪性黒色腫症例を経験した. 悪性黒色腫自体非常に予後が悪く, 転移性でもあり治療法の選択に苦慮したが, 生命予後の観点から根治手術を施行した. 本症例の治療経過を報告すると共に, この様な転移性悪性黒色腫の治療方針を中心として検討を加える. [症例] 患者:36歳女性 主訴:咽喉頭閉塞感 既往歴:7年前, 他院で背部皮膚原発の悪性黒色腫を切除. 1年後, 右腋窩リンパ節転移巣を当院第1外科で切除. その後5年間, 当院皮膚科にて化...

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Published in喉頭 Vol. 1; no. 2; pp. 146 - 149
Main Authors 宮田, 卓樹, 甲藤, 洋一, 益田, 俊樹, 岸本, 誠司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 1989
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx1989.1.2_146

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Summary:「はじめに」喉頭・下咽頭への転移性腫瘍は稀であるが, その中では皮膚原発悪性黒色腫の転移例が比較的多いとされている1). 今回, 我々は下咽頭から喉頭にかけての転移性悪性黒色腫症例を経験した. 悪性黒色腫自体非常に予後が悪く, 転移性でもあり治療法の選択に苦慮したが, 生命予後の観点から根治手術を施行した. 本症例の治療経過を報告すると共に, この様な転移性悪性黒色腫の治療方針を中心として検討を加える. [症例] 患者:36歳女性 主訴:咽喉頭閉塞感 既往歴:7年前, 他院で背部皮膚原発の悪性黒色腫を切除. 1年後, 右腋窩リンパ節転移巣を当院第1外科で切除. その後5年間, 当院皮膚科にて化学療法としてDAV(DTIC, ACNU, VCR)療法が施行されてきた. さらにOK-432, PSKなどの免疫賦活剤を継続投与中であった. 現病歴:3ヶ月前から飲水時にのどのつかえ感が出現. 前傾姿勢での軽い呼吸困難感も自覚するようになったため, 平成元年2月当科を受診した.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx1989.1.2_146