皮膚粘膜ヒアリノーシスの1症例

「I. はじめに」皮膚粘膜ヒアリノーシスは1908年にSiebenmannが始めて報告したまれな疾患で, 皮膚, 口腔, 上気道粘膜などに丘疹状, びまん浸潤性ないし疣贅状病変をみる遺伝性疾患で, 嗄声を初発症状とすることが多いとされているが, 本邦では皮膚科からの報告が主で耳鼻咽喉科からの報告はない. 今回, 本症例を経験したので報告する. 「II. 症例」59歳, 男性. 農業. 現病歴:生後声が悪かったと言われていた. 昭和35年頃より嗄声が増悪し次第に悪化した. 47年に当科を受診し, 声帯の病変を指摘されたが放置していた. 60年頃より労作時に息苦しさを自覚し, 平成元年7月6日仕事...

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Published in喉頭 Vol. 4; no. 1; pp. 58 - 63
Main Authors 水田, 啓介, 柳原, 誠, 宮田, 英雄, 鈴木, 智雄, 佐久間, 伸二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 1992
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx1989.4.1_58

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Summary:「I. はじめに」皮膚粘膜ヒアリノーシスは1908年にSiebenmannが始めて報告したまれな疾患で, 皮膚, 口腔, 上気道粘膜などに丘疹状, びまん浸潤性ないし疣贅状病変をみる遺伝性疾患で, 嗄声を初発症状とすることが多いとされているが, 本邦では皮膚科からの報告が主で耳鼻咽喉科からの報告はない. 今回, 本症例を経験したので報告する. 「II. 症例」59歳, 男性. 農業. 現病歴:生後声が悪かったと言われていた. 昭和35年頃より嗄声が増悪し次第に悪化した. 47年に当科を受診し, 声帯の病変を指摘されたが放置していた. 60年頃より労作時に息苦しさを自覚し, 平成元年7月6日仕事中に突然呼吸困難がおこり, 意識不明となり郡上中央病院内科へ入院した. 酸素吸入で呼吸困難は回復した. 耳鼻咽喉科にて声門狭窄を指摘された. 喉頭病変に加えて, 口腔, 咽頭, 皮膚にも異常があるため, 7月31日当科および当院皮膚科を紹介された.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx1989.4.1_58