手指重度損傷例の治療経験

近年産業の発達に伴い手指の外傷は増加の傾向にあり, その半数が労働災害によると報告されている. 最近急速に発展してきた. Microsurgeryの導入により手の外科の進歩はめざましいものがある. しかし一般病院においては, いまだスタツフの問題, 技術的な問題で, 現段階では切断手, 切断指の再接着はいろいろ困難な問題があり, 残存せる手指の機能の再建という問題が重要なことである. 我々は過去3年間に経験した手指重度損傷例は15例で, その年令は2才~70才にわたつているが大多数のものは20才~30才代の働きざかりの者であつた. その大部分の者は男性で女性はわずか2例であつた. 左右差はほと...

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Published in医療 Vol. 29; no. 10; pp. 1006 - 1012
Main Authors 吉川, 暢一, 古沢, 正治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1975
医療同好会
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Summary:近年産業の発達に伴い手指の外傷は増加の傾向にあり, その半数が労働災害によると報告されている. 最近急速に発展してきた. Microsurgeryの導入により手の外科の進歩はめざましいものがある. しかし一般病院においては, いまだスタツフの問題, 技術的な問題で, 現段階では切断手, 切断指の再接着はいろいろ困難な問題があり, 残存せる手指の機能の再建という問題が重要なことである. 我々は過去3年間に経験した手指重度損傷例は15例で, その年令は2才~70才にわたつているが大多数のものは20才~30才代の働きざかりの者であつた. その大部分の者は男性で女性はわずか2例であつた. 左右差はほとんどなかつた. 損傷部位は1本の指の切断から片方の手の全指の切断に及ぶものまで多種多様で, これらの代表例についてその治療法について検討を加え, 文献的考察を行つた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.29.1006