W6-2  RORγt/Foxp3共発現CD4 T細胞による自己免疫性関節炎制御機構

【目的】T細胞における転写因子RORtの発現が自己免疫性関節炎に与える影響を明らかにする.【方法】1)C57BL/6(B6),RORγtトランスジェニック(Tg)マウス)でコラーゲン誘導関節炎(collagen induced arthritis; CIA)を誘導した.2)collagen type II(CII)免疫後のリンパ節細胞をCIIとともに培養し,培養上清中のサイトカイン濃度をELISAで測定した.3)免疫後のCD4+T細胞の転写因子発現およびCCR6発現との関連をFACSで解析した.4)Foxp3+Tregをin vitroで刺激し,培養上清中のIL-10濃度をELISAで測定した...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 37; no. 4; p. 315a
Main Authors 金子, 駿太, 横澤, 将宏, 近藤, 裕也, 住田1, 孝之, 飯塚, 麻菜, 田原, 昌浩, 松本, 功, 高橋, 智, 坪井, 洋人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2014
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.37.315a

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Summary:【目的】T細胞における転写因子RORtの発現が自己免疫性関節炎に与える影響を明らかにする.【方法】1)C57BL/6(B6),RORγtトランスジェニック(Tg)マウス)でコラーゲン誘導関節炎(collagen induced arthritis; CIA)を誘導した.2)collagen type II(CII)免疫後のリンパ節細胞をCIIとともに培養し,培養上清中のサイトカイン濃度をELISAで測定した.3)免疫後のCD4+T細胞の転写因子発現およびCCR6発現との関連をFACSで解析した.4)Foxp3+Tregをin vitroで刺激し,培養上清中のIL-10濃度をELISAで測定した.5)CII免疫後のB6またはTgマウスから採取したリンパ節細胞をCII免疫後のB6マウスに移入し,CIAへの影響を評価した.【結果】1)CIAの発症率,重症度がTgマウスにおいて有意に低下した.2)CII反応性のIL-17産生はTgマウスで有意に高値を示した.3)Tgマウス由来CD4+ T細胞ではRORγt,Foxp3は共発現し,Foxp3+Tregにおいて有意なCCR6発現の亢進を認めた.4)Foxp3+TregからのIL-10産生は,Tgマウスで有意に高値であった.5)Tgマウス由来のリンパ節細胞の移入によってB6のCIAが有意に抑制された.【結論】TgマウスではCIIに対するIL-17産生が亢進しているにも関わらず関節炎発症は抑制されており,その機序としてRORγt/Foxp3共発現制御性T細胞が関与する可能性が示唆された.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.37.315a