当院における嚥下機能改善手術・誤嚥防止手術の検討

「はじめに」一般的に嚥下機能改善手術には, 喉頭挙上術, 輪状咽頭筋切断術, 咽頭弁形成術, 披裂軟骨内転術があり, また誤嚥防止手術には声門上閉鎖, 声門閉鎖, 声門下閉鎖, 喉頭気管分離, 気管食道吻合術がある. 臨床では, 各症例の病態に応じて, これらの手術を組み合わせて行われている. 適応については, 嚥下機能改善手術では, 施行後もリハができる全身状態であること, そして, ある程度の予後が担保されていることが必要である. 誤嚥防止手術では, 生命予後に嚥下障害が影響している場合が主で, 場合によって, 安全な経口摂取を目的にされることもある. 今回, 我々は名古屋大学医学部付属病...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in喉頭 Vol. 31; no. 1; pp. 1 - 5
Main Author 丸尾, 貴志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.06.2019
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.31.1

Cover

More Information
Summary:「はじめに」一般的に嚥下機能改善手術には, 喉頭挙上術, 輪状咽頭筋切断術, 咽頭弁形成術, 披裂軟骨内転術があり, また誤嚥防止手術には声門上閉鎖, 声門閉鎖, 声門下閉鎖, 喉頭気管分離, 気管食道吻合術がある. 臨床では, 各症例の病態に応じて, これらの手術を組み合わせて行われている. 適応については, 嚥下機能改善手術では, 施行後もリハができる全身状態であること, そして, ある程度の予後が担保されていることが必要である. 誤嚥防止手術では, 生命予後に嚥下障害が影響している場合が主で, 場合によって, 安全な経口摂取を目的にされることもある. 今回, 我々は名古屋大学医学部付属病院で行われた嚥下機能改善手術, 誤嚥防止手術の現状について解析を行った. また, 新たに当院で開発した嚥下機能改善手術の評価法について, 検討したので報告する. 「対象と方法」<対象> 名古屋大学医学部付属病院にて2003年4月~2018年3月までの間に施行された, 後方視的に追跡解析可能な嚥下機能改善手術, 誤嚥防止手術症例を対象とした.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.31.1