最近 5 年間の肺癌 145 例における気管支鏡下診断率の検討
気管支鏡検査による肺癌確定診断において, より効率的に診断するためにいかなる気管支鏡下の手技を組み合わせるべきかを検討した。対象145例の内訳は, 扁平上皮癌45例, 腺癌44例, 小細胞癌23例, 大細胞癌6例, 転移性肺癌27例であった。各症例を気管支鏡所見別, 組織型別, 病期別に分類し, 気管支鏡下の各手技別診断率および各手技の組み合わせ診断率を検討した。初回気管支鏡施行時の総合診断率は原発性肺癌で84.7%, 転移性肺癌で74.1%, 両者を合わせると82.8%であった。原発性肺癌では各組織型ともTBBによる診断率が最も高く, Brushing, Washingの順であった。一方転移...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 13; no. 6; pp. 557 - 563 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
1991
The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.13.6_557 |
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Summary: | 気管支鏡検査による肺癌確定診断において, より効率的に診断するためにいかなる気管支鏡下の手技を組み合わせるべきかを検討した。対象145例の内訳は, 扁平上皮癌45例, 腺癌44例, 小細胞癌23例, 大細胞癌6例, 転移性肺癌27例であった。各症例を気管支鏡所見別, 組織型別, 病期別に分類し, 気管支鏡下の各手技別診断率および各手技の組み合わせ診断率を検討した。初回気管支鏡施行時の総合診断率は原発性肺癌で84.7%, 転移性肺癌で74.1%, 両者を合わせると82.8%であった。原発性肺癌では各組織型ともTBBによる診断率が最も高く, Brushing, Washingの順であった。一方転移性肺癌ではBrushingによる診断率が最も高く, TBB, Washingの順であった。いずれもBiopsyにTBAC, Brushing, Washing, 気管支鏡後採痰3日間を追加することにより診断率は上昇した。Stage別の気管支鏡下各手技の組合せ診断率ではStage間に有意差はなかった。以上の結果より, より効率的な肺癌確定診断のために, TBBやTBACにBrushing, Washing, 気管支鏡後採痰3日間を追加することは重要と思われた。 |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.13.6_557 |