健診で見つかるBrugada型心電図のrisk stratification
右胸部誘導心電図における0.1mV以上のST上昇と右脚ブロック様波形を呈するBrugada型心電図の我が国における健康診断での検出率は, 0.14~0.70%1)~3)といわれている. そのST上昇をcoved型に限定すると, 0.045~0.16%と減少し, そのほとんどが男性であったと報告されている2),4). 心室細動を発症する率は, 循環器病委託研究登録症例の調査によると, 健診で見つかるような無症候性Brugada型心電図例では約0.5%/年と非常に低いイベント発生率である. 一方, 原因不明の失神既往があると不整脈イベントは2~4%/年, 心室細動の既往があるBrugada症候群で...
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Published in | 心電図 Vol. 29; no. 2; p. 155 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
2009
日本心電学会 |
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ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.29.155 |
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Summary: | 右胸部誘導心電図における0.1mV以上のST上昇と右脚ブロック様波形を呈するBrugada型心電図の我が国における健康診断での検出率は, 0.14~0.70%1)~3)といわれている. そのST上昇をcoved型に限定すると, 0.045~0.16%と減少し, そのほとんどが男性であったと報告されている2),4). 心室細動を発症する率は, 循環器病委託研究登録症例の調査によると, 健診で見つかるような無症候性Brugada型心電図例では約0.5%/年と非常に低いイベント発生率である. 一方, 原因不明の失神既往があると不整脈イベントは2~4%/年, 心室細動の既往があるBrugada症候群では2年で約30%と高率になる5). このように我が国においては不整脈発作の既往例以外の突然死発症率は低く, 無症候性Brugada型心電図例における突然死予測はきわめて困難である. リスク評価として, type 1 ST上昇(V1-3誘導におけるJ点が2mm以上を示すcoved型ST上昇), 突然死家族歴, 電気生理学的検査による心室細動の誘発, 遺伝子異常, 薬物によるtype 1 ST上昇などがあげられる. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.29.155 |