重力感受性を評価する検査 Head Tilt SVV の開発と臨床応用

「はじめに」浮動性めまいの原因は多岐に渡り, 中枢神経系疾患, 循環器疾患, 自律神経系疾患, 精神疾患を除外しても既存のめまい平衡機能検査で異常が認められない浮動性めまい症例が存在する. 私たちは浮動性めまいの原因の一つに重力感受性障害が関与しているのではないかという考えのもと新しい検査の開発を目指した. その根拠としては実験的な微小重力環境において健常者が浮動感を感じることや重力認知が視覚, 体性感覚, 前庭覚の多感覚統合により認知されるため末梢前庭機能のみを検査した際に異常が検出されない可能性があることが挙げられる. また, 新しい検査方法の開発においては臨床で幅広く使用できるためには侵...

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Published inEquilibrium Research Vol. 79; no. 4; pp. 274 - 280
Main Authors 和田, 佳郎, 山中, 敏彰, 北原, 糺, 塩崎, 智之, 伊藤, 妙子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 31.08.2020
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.79.274

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Summary:「はじめに」浮動性めまいの原因は多岐に渡り, 中枢神経系疾患, 循環器疾患, 自律神経系疾患, 精神疾患を除外しても既存のめまい平衡機能検査で異常が認められない浮動性めまい症例が存在する. 私たちは浮動性めまいの原因の一つに重力感受性障害が関与しているのではないかという考えのもと新しい検査の開発を目指した. その根拠としては実験的な微小重力環境において健常者が浮動感を感じることや重力認知が視覚, 体性感覚, 前庭覚の多感覚統合により認知されるため末梢前庭機能のみを検査した際に異常が検出されない可能性があることが挙げられる. また, 新しい検査方法の開発においては臨床で幅広く使用できるためには侵襲が少なく, 安価で簡便に実施が可能なことが条件として挙げられる.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.79.274