ペースメーカ設定やリード不全によって起こりうる心電図波形

「1. はじめに」植込み型ペースメーカは, 1960年に初めてChardackらにより臨床使用例が報告された. それ以降, バッテリー・電子回路・リード線および素材などの改良により, 機器としての高性能化・小型化が行われてきた. またソフトウェアとしては, 開発当初は刺激数固定型という単純なものであったが, 心房同期型の開発以降の進歩は著しく, 現在では多くの機能と複雑なアルゴリズムにより, ほぼ生理的な心拍動を再現しうるようになった. しかし, 多くの機能と複雑なアルゴリズムのため, ペースメーカ患者の心電図波形を読み解くことが非常に難解となってきている. ペースメーカ心電図が, 本体やリー...

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Published in心電図 Vol. 37; no. 4; pp. 266 - 269
Main Author 菊池, 幹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2017
日本不整脈心電学会
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.37.266

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Summary:「1. はじめに」植込み型ペースメーカは, 1960年に初めてChardackらにより臨床使用例が報告された. それ以降, バッテリー・電子回路・リード線および素材などの改良により, 機器としての高性能化・小型化が行われてきた. またソフトウェアとしては, 開発当初は刺激数固定型という単純なものであったが, 心房同期型の開発以降の進歩は著しく, 現在では多くの機能と複雑なアルゴリズムにより, ほぼ生理的な心拍動を再現しうるようになった. しかし, 多くの機能と複雑なアルゴリズムのため, ペースメーカ患者の心電図波形を読み解くことが非常に難解となってきている. ペースメーカ心電図が, 本体やリードの損傷により異常を呈している場合もあるが, 実際は不応期の影響やアルゴリズムの働きにより一見, 「異常」に見えている場合もある. そこで, ペースメーカ心電図を診て「異常かな?」と感じたときに, 順を追って考えていく必要がある.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.37.266