気管・気管支結核症に対する右上葉 Sleeve Lobectomy の 1 例 : 特に肺機能改善について

症例は33歳男性の右主気管支の高度な狭窄を伴う気管・気管支結核症例である。右上葉Sleeve Lobectomyを行なったが, 気管は分岐部より口側6cmにわたり, 瘢痕病変が存在したため, 瘢痕部での吻合を余儀なくされた。本症例の術前後に肺機能検査を行なった。一般肺機能では, 肺活量, 1秒量, Flow-Volume曲線の改善が認められた。胸部シネ撮影では, 術前認められた縦隔動揺が術後改善した。同様のことは, フルオロスパイログラムでも認められた。肺換気シンチグラムにおいては, 術前認められた術側肺の洗い出しの低下が術後改善した。病変が鎮静化していれば, 瘢痕部で吻合を行なってでも, 機...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 8; no. 2; pp. 291 - 296
Main Authors 宇山, 正, 南本, 智史, 佐尾山, 信夫, 門田, 康正, 原田, 邦彦, 畠山, 茂毅, 須井, 修, 谷木, 利勝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1986
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.8.2_291

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Summary:症例は33歳男性の右主気管支の高度な狭窄を伴う気管・気管支結核症例である。右上葉Sleeve Lobectomyを行なったが, 気管は分岐部より口側6cmにわたり, 瘢痕病変が存在したため, 瘢痕部での吻合を余儀なくされた。本症例の術前後に肺機能検査を行なった。一般肺機能では, 肺活量, 1秒量, Flow-Volume曲線の改善が認められた。胸部シネ撮影では, 術前認められた縦隔動揺が術後改善した。同様のことは, フルオロスパイログラムでも認められた。肺換気シンチグラムにおいては, 術前認められた術側肺の洗い出しの低下が術後改善した。病変が鎮静化していれば, 瘢痕部で吻合を行なってでも, 機能温存術式を選択すべきであると考えられた。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.8.2_291