冠動脈狭窄の危険因子・脂質, 高感度CRPの検討

冠動脈狭窄の危険因子を冠動脈造影症例において, 脂質, 高感度CRP (hs-CRP) について検討した. 2002年1月より2003年4月までの診断的冠動脈造影検査, 連続190例のうち急性心筋梗塞, 肝不全, 腎不全, 感染症, 悪性新生物を除外した115例を対象とした. 冠動脈狭窄度がQCA解析で51%以上の枝の症例をS群, 有意狭窄のない症例をN群とした. 2群間について既往症として高血圧, 糖尿病, 喫煙歴, 入院時のBody mass index (BMI), 血液生化学データとして総コレステロール(TC), LDL-C, HDL-C, 中性脂肪(TG), レムナント様リポ蛋白コス...

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Published in医療 Vol. 60; no. 6; pp. 394 - 398
Main Authors 竹本, 俊二, 井上, 雅文, 高橋, 正彦, 堀, 圭介, 藤田, 勲生, 梶川, 隆, 黒木, 慶一郎, 廣田, 滋, 淵本, 康子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 2006
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.60.394

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Summary:冠動脈狭窄の危険因子を冠動脈造影症例において, 脂質, 高感度CRP (hs-CRP) について検討した. 2002年1月より2003年4月までの診断的冠動脈造影検査, 連続190例のうち急性心筋梗塞, 肝不全, 腎不全, 感染症, 悪性新生物を除外した115例を対象とした. 冠動脈狭窄度がQCA解析で51%以上の枝の症例をS群, 有意狭窄のない症例をN群とした. 2群間について既往症として高血圧, 糖尿病, 喫煙歴, 入院時のBody mass index (BMI), 血液生化学データとして総コレステロール(TC), LDL-C, HDL-C, 中性脂肪(TG), レムナント様リポ蛋白コステロール(RLP-C), リポ蛋白(a)〔LP(a)〕, 空腹時血糖(FBS), HbA1c, 尿酸, 高感度CRP (hs-CRP) につき検討した. 115症例の平均年齢68.3歳, 男性80人, 女性35人で, N群71人S群44人の両群間において平均年齢, 男女比, 肥満, 高血圧, 糖尿病, 喫煙歴に有意差はなかった. S群において有意に, LDL-C, LDL-C/HDL-C, TC/HDL-C, 尿酸が高値であった. また冠動脈病変を狭窄度, 病変長, 病変枝数よりスコア化し脂質, hs-CRPとの関係を重回帰解析にて分析するとLDLが病変の重症度に正の相関が得られた. 従来の冠動脈イベントの予測因子として有用とされているhs-CRPは2群間で有意差を示さなかった. CRPは冠動脈病変の重症度とは相関しない可能性が示唆された.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.60.394