セボフルランをもちいた全身麻酔下手術後に高次脳機能症状の改善速度の上昇をみとめたヘルペス脳炎の53歳男性例

症例は53歳の男性である.発熱,意識障害で発症したヘルペス脳炎である.42日間のアシクロビル投与後に意識障害は改善したが20日後に再増悪し,ビダラビン投与とステロイドパルス療法で改善した.MRI上病巣は左側頭葉と両側島回,両側前頭葉であった.第98病日に超皮質性感覚失語が確認されその後変化はなかったが,第156病日のセボフルランをもちいた全身麻酔下大腿骨頭置換術後に失語はいちじるしく改善した.自然経過の可能性はあるが,セボフルランが炎症性脳障害の回復をうながし結果として高次脳機能障害の改善をうながした可能性もある....

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Published in臨床神経学 Vol. 54; no. 9; pp. 743 - 746
Main Authors 海田, 賢一, 鎌倉, 惠子, 本郷, 悠, 小川, 剛, 石川, 幸伸, 武田, 克彦, 冨樫, 尚彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 01.09.2014
Subjects
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.54.743

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Summary:症例は53歳の男性である.発熱,意識障害で発症したヘルペス脳炎である.42日間のアシクロビル投与後に意識障害は改善したが20日後に再増悪し,ビダラビン投与とステロイドパルス療法で改善した.MRI上病巣は左側頭葉と両側島回,両側前頭葉であった.第98病日に超皮質性感覚失語が確認されその後変化はなかったが,第156病日のセボフルランをもちいた全身麻酔下大腿骨頭置換術後に失語はいちじるしく改善した.自然経過の可能性はあるが,セボフルランが炎症性脳障害の回復をうながし結果として高次脳機能障害の改善をうながした可能性もある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.54.743