精神発達遅滞に対するリハビリテーション

精神発達遅滞に対するリハビリテーションは, 身体障害のリハビリテーションに比べ, 質・量ともに大きく立ち遅れている. 人口50人に1人という出現頻度を示すこの障害の対策が, なぜこのように遅れているのか. 狭義の意味で医学的に問題がないからか, 障害が目に見えないからか, いずれにしても, その基礎疾患を特定する診断技術は進歩したものの, 生れ出でた子どもに対する治療技術は遅々として進まず, わが国ではそれに携わる医療従事者の数も明らかに少ないのが現状である. そこで今回は, 精神発達遅滞の早期療育から職業的更生に至るまで, 乳幼児期, 児童期, 青年期に分け, 運動機能, 障害の評価, 保健...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 28; no. 6; pp. 465 - 470
Main Author 伊藤, 利之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本リハビリテーション医学会 1991
日本リハビリテーション医学会
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ISSN0034-351X
1880-778X
DOI10.2490/jjrm1963.28.465

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Summary:精神発達遅滞に対するリハビリテーションは, 身体障害のリハビリテーションに比べ, 質・量ともに大きく立ち遅れている. 人口50人に1人という出現頻度を示すこの障害の対策が, なぜこのように遅れているのか. 狭義の意味で医学的に問題がないからか, 障害が目に見えないからか, いずれにしても, その基礎疾患を特定する診断技術は進歩したものの, 生れ出でた子どもに対する治療技術は遅々として進まず, わが国ではそれに携わる医療従事者の数も明らかに少ないのが現状である. そこで今回は, 精神発達遅滞の早期療育から職業的更生に至るまで, 乳幼児期, 児童期, 青年期に分け, 運動機能, 障害の評価, 保健・医療・福祉サービスのあり方等のいくつかの問題点について解説する.
ISSN:0034-351X
1880-778X
DOI:10.2490/jjrm1963.28.465