Porcine Xenograft Valveの臨床的検討

1957年より, 教室で83症例に, 異種生体弁92個を使用した。このうち, いわゆるprimary valve failure (PVF)3例と, prosthetic valve endocarditis (PVE)による弁不全2例を経験した。PVFはいづれも僧帽弁位のもので1例は3年後に発生したleafletと弁座の縫目にそった破損で弁の石灰化を認めなかった。他の2例は6年を経過して発生したが, 石灰化に伴なった破損で, そのうち1例では, 大動脈弁位に同時に置換された生体弁には異常を認めなかった。弁破損は比較的急速な心不全の進行につながり, 内科的に心不全のcontrolが困難であった...

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Published inJinko Zoki Vol. 13; no. 1; pp. 325 - 328
Main Authors 森下, 靖雄, 中村, 一彦, 湯田, 敏行, 豊平, 均, 下川, 新二, 丸古, 臣苗, 宮崎, 俊明, 山下, 正文, 有川, 和宏, 平, 明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1984
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
Subjects
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.13.325

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Summary:1957年より, 教室で83症例に, 異種生体弁92個を使用した。このうち, いわゆるprimary valve failure (PVF)3例と, prosthetic valve endocarditis (PVE)による弁不全2例を経験した。PVFはいづれも僧帽弁位のもので1例は3年後に発生したleafletと弁座の縫目にそった破損で弁の石灰化を認めなかった。他の2例は6年を経過して発生したが, 石灰化に伴なった破損で, そのうち1例では, 大動脈弁位に同時に置換された生体弁には異常を認めなかった。弁破損は比較的急速な心不全の進行につながり, 内科的に心不全のcontrolが困難であった。PVFの3例は, 機械弁を用いての再弁置換で救命し得たが, PVEの2例は再手術に至らず死亡した。生体弁でのこのような異常を念頭において, 注意深いfollowと早期の外科的対応が必要であると思われた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.13.325