高齢者における睡眠時呼吸障害の形態診断 (第2報): AHIによる重症度別の比較検討

高齢者の睡眠時呼吸障害 (Sleep-disordered breathing, SDB) の形態診断を検討した. 初診時65歳以上の301名 (男性213名, 女性88名) を対象に, これらを男女別に, AHI (Apnea Hypopnea Index) の程度, 肥満度 (BMI), 形態的特徴について, 65歳未満の群と比較検討した. 形態診断のひとつとして前回提唱した「ゆるみ」は, 高齢者およびAHIの重症群で増加していたが, 年齢, AHIとの相関は認めなかった. 高齢SDBでは男女とも軟口蓋低位, ゆるみが増加しており, これらがSDBの重症度を規定している可能性が示唆された....

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 25; no. 1; pp. 105 - 111
Main Authors 菊池, 淳, 佐藤, 公則, 中島, 格, 池園, 圭子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2012
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.25.105

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Summary:高齢者の睡眠時呼吸障害 (Sleep-disordered breathing, SDB) の形態診断を検討した. 初診時65歳以上の301名 (男性213名, 女性88名) を対象に, これらを男女別に, AHI (Apnea Hypopnea Index) の程度, 肥満度 (BMI), 形態的特徴について, 65歳未満の群と比較検討した. 形態診断のひとつとして前回提唱した「ゆるみ」は, 高齢者およびAHIの重症群で増加していたが, 年齢, AHIとの相関は認めなかった. 高齢SDBでは男女とも軟口蓋低位, ゆるみが増加しており, これらがSDBの重症度を規定している可能性が示唆された. ゆるみの客観的評価は困難であったが, その有無については比較的診断が容易であり, 高齢発症のSDBのスクリーニングに有用と考えられた.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.25.105