胸腔鏡下に切除した健康な若年者に発症したMycobacterium branderiの1例

今回我々は,健診で発見され,胸腔鏡下に切除した若年者発症のMycobacterium branderiの1例を経験したので報告する.症例は22歳,男性.生来健康であった.会社の健康診断にて胸部異常陰影を指摘され近医を受診.胸部CTにて右上肺野に空洞性病変を指摘され,肺結核疑いにて当院紹介,入院となった.胸部CTでは右S1に約3cm大の空洞性病変を認め,血清アスペルギルス抗原が陽性であったため,肺アスペルギローマと診断された.右上肺野に限局した病変であり,若年齢で全身状態も良好であることより,胸腔鏡下肺部分切除術を施行した.胸壁との癒着はなく,胸腔鏡下での切除は容易であった.空洞性病変内部の膿よ...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 22; no. 6; pp. 929 - 932
Main Authors 中川, 靖士, 長尾, 妙子, 広瀬, 敏幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.09.2008
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.22.929

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Summary:今回我々は,健診で発見され,胸腔鏡下に切除した若年者発症のMycobacterium branderiの1例を経験したので報告する.症例は22歳,男性.生来健康であった.会社の健康診断にて胸部異常陰影を指摘され近医を受診.胸部CTにて右上肺野に空洞性病変を指摘され,肺結核疑いにて当院紹介,入院となった.胸部CTでは右S1に約3cm大の空洞性病変を認め,血清アスペルギルス抗原が陽性であったため,肺アスペルギローマと診断された.右上肺野に限局した病変であり,若年齢で全身状態も良好であることより,胸腔鏡下肺部分切除術を施行した.胸壁との癒着はなく,胸腔鏡下での切除は容易であった.空洞性病変内部の膿より抗酸菌を検出し,16S rRNA塩基配列にてM. branderiと診断された.術後の化学療法は行わずに約3年経過したが,特に症状もなく,再燃も認めていない.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.22.929