要介護高齢者の経口摂取困難の実態ならびに要因に関する研究

目的 : 在宅ならびに特別養護老人ホーム (以下、特養と略) に入所中の要介護高齢者を対象に経口摂取困難者の実態ならびに、経口摂取困難者の背景を明らかにすることを目的とした。 対象及び方法 : 名古屋市在住の在宅要介護高齢者 (n=1,112, 81.3±8.1(SD)歳)、ならびに特養入所者 (n=655, 85.2±7.9(SD)歳) を対象とした。 結果 : 在宅要介護高齢者のうち、栄養摂取ルートは経口94.7%、経管栄養4.9%、経静脈栄養0.4%であった。特養入所者では経口摂取は91.8%、経管栄養は8.2%で、経静脈栄養利用者はいなかった。経口摂取者のうち、嚥下障害を有する割合は在...

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Published inJomyaku Keicho Eiyo Vol. 26; no. 5; pp. 1265 - 1270
Main Authors 井澤, 幸子, 榎, 裕美, 広瀬, 貴久, 長谷川, 潤, 葛谷, 雅文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈経腸栄養学会 2011
Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition
Subjects
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ISSN1344-4980
1881-3623
DOI10.11244/jjspen.26.1265

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Summary:目的 : 在宅ならびに特別養護老人ホーム (以下、特養と略) に入所中の要介護高齢者を対象に経口摂取困難者の実態ならびに、経口摂取困難者の背景を明らかにすることを目的とした。 対象及び方法 : 名古屋市在住の在宅要介護高齢者 (n=1,112, 81.3±8.1(SD)歳)、ならびに特養入所者 (n=655, 85.2±7.9(SD)歳) を対象とした。 結果 : 在宅要介護高齢者のうち、栄養摂取ルートは経口94.7%、経管栄養4.9%、経静脈栄養0.4%であった。特養入所者では経口摂取は91.8%、経管栄養は8.2%で、経静脈栄養利用者はいなかった。経口摂取者のうち、嚥下障害を有する割合は在宅33.7%、特養で38.6%と高率であった。経管栄養利用者ならびに嚥下障害者では栄養不良の割合が正常者に比較し高率であった。経管栄養利用者ならびに嚥下障害者に関連する因子として日常生活障害、認知症、神経変性疾患などが抽出された。 結論 : 在宅ならびに特養における要介護高齢者には多くの経口摂取困難者が存在し、正常に経口摂取できる対象者と比較し栄養不良が多く存在していた。
ISSN:1344-4980
1881-3623
DOI:10.11244/jjspen.26.1265