食品群別摂取状況からみた高齢者の食生活について(<特集>高齢者居住研究部会特集)

近年, わが国では国民の高齢化が急速に進み, 現在では国民の約5人に1人が65歳以上の高齢者である. このような社会の高齢化にともない, 寝たきりや痴呆の高齢者も増加しており高齢者の健康寿命の延長が課題となってきている. 厚生労働省の提唱する「健康日本21」の運動の中で言われているように, 寝たきりや痴呆になることを予防するためには, 食生活や運動習慣などを原因とする生活習慣病の一次予防は重要である. そのためには適切な栄養摂取が不可欠である. これに関連して高齢者の食生活について, これまでに多くの研究が行われてきたが5)~15), それらは栄養素やエネルギーの評価をしたものが多く, 高齢者...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 8; no. 4; pp. 207 - 211
Main Authors 曽根, 良昭, 荻布, 智恵, 広田, 直子, 安田, 絵里, 津村, 有紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2003
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.8.4_207

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Summary:近年, わが国では国民の高齢化が急速に進み, 現在では国民の約5人に1人が65歳以上の高齢者である. このような社会の高齢化にともない, 寝たきりや痴呆の高齢者も増加しており高齢者の健康寿命の延長が課題となってきている. 厚生労働省の提唱する「健康日本21」の運動の中で言われているように, 寝たきりや痴呆になることを予防するためには, 食生活や運動習慣などを原因とする生活習慣病の一次予防は重要である. そのためには適切な栄養摂取が不可欠である. これに関連して高齢者の食生活について, これまでに多くの研究が行われてきたが5)~15), それらは栄養素やエネルギーの評価をしたものが多く, 高齢者への健康教育という点から考えると, 高齢者にも理解しやすい食品群別の食物摂取で考えることが必要であると思われる. また急速な高齢化にともない独居高齢者の割合も増加しており, 高齢者の食生活のスタイルも変化してきており, この食生活スタイルが食品群別摂取状況に及ぼす影響や社会的, 身体的要因と食品群の充足率との関連については十分な検討がされていない.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.8.4_207