超高齢社会における歯科医療のFuture Strategy

わが国では周知のとおり, 世界的にも類をみない速度で少子高齢化が進行しつつあり, 適切な医療のあり方や提供の方策といった面で変革が求められている. そのための国家施策のキーワードの一つとして「治す医療から治し支える医療への転換」を挙げることができるが, これは, いわば「根治療法」を目標とした医療から「臓器の異常を全身状態と調和がとれたレベルまで改善させ, 自立した生活を支援すること」に目標をシフトさせることと換言できる. また, 厚生労働省は歯科医療における需要の将来予測として, 歯の形態回復を主目的とする「健常者型歯科医療」から, 患者の心身の状態に応じた口腔機能の回復を主眼とする「高齢者...

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Published inThe Japanese Journal of Conservative Dentistry Vol. 61; no. 5; p. 251
Main Author 興地, 隆史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科保存学会 2018
日本歯科保存学会
The Japanese Society of Conservative Dentistry
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ISSN0387-2343
2188-0808
DOI10.11471/shikahozon.61.251

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Summary:わが国では周知のとおり, 世界的にも類をみない速度で少子高齢化が進行しつつあり, 適切な医療のあり方や提供の方策といった面で変革が求められている. そのための国家施策のキーワードの一つとして「治す医療から治し支える医療への転換」を挙げることができるが, これは, いわば「根治療法」を目標とした医療から「臓器の異常を全身状態と調和がとれたレベルまで改善させ, 自立した生活を支援すること」に目標をシフトさせることと換言できる. また, 厚生労働省は歯科医療における需要の将来予測として, 歯の形態回復を主目的とする「健常者型歯科医療」から, 患者の心身の状態に応じた口腔機能の回復を主眼とする「高齢者型歯科医療」への転換を提示している. 「高齢者型」では多職種間の連携が重要であるとともに, 治療の難度やリスクの増加を必然的に伴うこととなる.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.61.251