頭頸部癌手術の骨切除におけるソノペット®の使用経験

近年,軟組織損傷のリスクが少なく安全で確実に骨を削るデバイスとして,超音波手術機器(ソノペット®)が脳神経外科領域,整形外科領域,顎顔面外科領域で使用されている.耳鼻咽喉科領域では鼻科領域・耳科領域で使用した報告が散見されるが,頭頸部癌領域では報告が少ない.今回,われわれは口腔癌,上顎洞癌,中咽頭癌の6症例の手術において,上顎骨や下顎骨の骨切除の際にソノペット®を使用したので症例とともにその有用性について考察した.下顎骨の矢状分割切断や骨辺縁を細かく切除する際,切除する骨の裏面に筋肉などの軟組織がある際にはその利点がある.一般的に使用されるレシプロケーティングソーに比べると骨切除に時間がかかる...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 66; no. 4; pp. 169 - 174
Main Authors 水成, 陽介, 長岡, 真人, 志村, 英二, 結束, 寿
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.08.2023
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo.66.4_169

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Summary:近年,軟組織損傷のリスクが少なく安全で確実に骨を削るデバイスとして,超音波手術機器(ソノペット®)が脳神経外科領域,整形外科領域,顎顔面外科領域で使用されている.耳鼻咽喉科領域では鼻科領域・耳科領域で使用した報告が散見されるが,頭頸部癌領域では報告が少ない.今回,われわれは口腔癌,上顎洞癌,中咽頭癌の6症例の手術において,上顎骨や下顎骨の骨切除の際にソノペット®を使用したので症例とともにその有用性について考察した.下顎骨の矢状分割切断や骨辺縁を細かく切除する際,切除する骨の裏面に筋肉などの軟組織がある際にはその利点がある.一般的に使用されるレシプロケーティングソーに比べると骨切除に時間がかかるということが欠点である.しかし,骨切除の際の切除骨面からの出血は少なく,術中の視野は良好に保たれるので骨切除未経験の術者を指導する際には時間をかけて安全に指導することができるため教育の面でも有用と思われた.
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.66.4_169