CT ガイド下縦隔膿瘍ドレナージが奏効した降下性壊死性縦隔炎の1例

降下性壊死性縦隔炎は, 歯原性感染症や咽頭を中心とした上気道炎が深頸部感染症に進展したのちに縦隔に降下する, 重篤な感染症である。 今回われわれは, 縦隔膿瘍を伴う降下性壊死性縦隔炎に対し CT ガイド下ドレナージ術を施行し, 良好な経過をたどった症例を経験した。 症例は特記すべき既往のない79歳女性。 咽頭痛と頸部腫脹を主訴に前医を受診した。 ガス産生を伴う降下性壊死性縦隔炎の診断にて, 同日頸部外切開による切開排膿を施行した。 その後縦隔内と後頸部に膿瘍を形成したため, CT ガイド下膿瘍ドレナージを第2病日, 第17病日に施行し第65病日に経口摂取が開始できた。 自宅退院前のさらなる A...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 63; no. 4; pp. 166 - 171
Main Authors 小島, 博己, 竹下, 直宏, 黒柳, 拓樹, 結束, 寿, 志村, 英二, 内尾, 紀彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.08.2020
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo.63.4_166

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Summary:降下性壊死性縦隔炎は, 歯原性感染症や咽頭を中心とした上気道炎が深頸部感染症に進展したのちに縦隔に降下する, 重篤な感染症である。 今回われわれは, 縦隔膿瘍を伴う降下性壊死性縦隔炎に対し CT ガイド下ドレナージ術を施行し, 良好な経過をたどった症例を経験した。 症例は特記すべき既往のない79歳女性。 咽頭痛と頸部腫脹を主訴に前医を受診した。 ガス産生を伴う降下性壊死性縦隔炎の診断にて, 同日頸部外切開による切開排膿を施行した。 その後縦隔内と後頸部に膿瘍を形成したため, CT ガイド下膿瘍ドレナージを第2病日, 第17病日に施行し第65病日に経口摂取が開始できた。 自宅退院前のさらなる ADL の回復を目的に, 第141病日にリハビリ病院へ転院となった。 侵襲の少ない CT ガイド下ドレナージが有効な治療法であることが示唆された。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.63.4_166