夏季の不定愁訴症候群における人工炭酸泉浴剤の使用経験
夏季の疲労や冷え症状を訴える不定愁訴症候群に対する人工炭酸泉浴剤(A浴剤:炭酸ガス濃度100 ppm)の効果を検討した.南多摩病院婦人科外来を受診し,夏季の疲労感,冷え,不眠などの不定愁訴を訴える患者16名(女性,平均40.8歳)を対象に実施した.A浴剤2週間使用により,全般改善度で軽快以上を13名に認め,疲労症状および冷え症状も有意な症状改善効果を認めた.使用後の使用感アンケート調査では,手足の温まりやすさ以外にも,疲れが取れる,リラックスできるなどの効果を確認した.副作用はなく,有用性判定は16名中,やや有用以上が14名であり,高い有用性を認めた.引き続き6名にA浴剤および4名にプラセボ浴...
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Published in | 日本生気象学会雑誌 Vol. 37; no. 4; pp. 93 - 103 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本生気象学会
2000
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0389-1313 1347-7617 |
DOI | 10.11227/seikisho.37.93 |
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Summary: | 夏季の疲労や冷え症状を訴える不定愁訴症候群に対する人工炭酸泉浴剤(A浴剤:炭酸ガス濃度100 ppm)の効果を検討した.南多摩病院婦人科外来を受診し,夏季の疲労感,冷え,不眠などの不定愁訴を訴える患者16名(女性,平均40.8歳)を対象に実施した.A浴剤2週間使用により,全般改善度で軽快以上を13名に認め,疲労症状および冷え症状も有意な症状改善効果を認めた.使用後の使用感アンケート調査では,手足の温まりやすさ以外にも,疲れが取れる,リラックスできるなどの効果を確認した.副作用はなく,有用性判定は16名中,やや有用以上が14名であり,高い有用性を認めた.引き続き6名にA浴剤および4名にプラセボ浴剤(B浴剤)を2週間使用させたところ,B浴剤使用群で効果の低減が認められた.以上の結果より,人工炭酸泉浴剤は夏季の疲労症状,冷え症状を訴える不定愁訴症候群に対し,副作用もなく,簡便に行える補助療法として有用な方法であると思われた. |
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ISSN: | 0389-1313 1347-7617 |
DOI: | 10.11227/seikisho.37.93 |