前頸部における拡散光トモグラフィのためのテイラーメイドファイバホルダ

拡散光トモグラフィ(DOT)は生体内の光学特性値の空間分布を得ることができる。光学特性値は局所の血管密度や細胞構築を反映していると考えられ、頭頸部においては甲状腺がんの検出や治療の評価への応用が期待されている。DOTでは体表上に装着した複数の光ファイバにおいて近赤外光を入射・検出することで得られる計測データと同様な系での光伝播シミュレーションの結果を比較することで画像再構成をするため、計測時のファイバの装着位置や角度を数値計算に組み込まなければならない。そこで、被験者本人の前頸部にフィットする装着再現性が高いファイバホルダであれば設計時のパラメータから装着状態を推定できると仮定し、そのようなホ...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 55Annual; no. 5PM-Abstract; p. 456
Main Authors 星, 詳子, 谷川, ゆかり, 川口, 拓之, 岡田, 英史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2017
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.55Annual.456

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Summary:拡散光トモグラフィ(DOT)は生体内の光学特性値の空間分布を得ることができる。光学特性値は局所の血管密度や細胞構築を反映していると考えられ、頭頸部においては甲状腺がんの検出や治療の評価への応用が期待されている。DOTでは体表上に装着した複数の光ファイバにおいて近赤外光を入射・検出することで得られる計測データと同様な系での光伝播シミュレーションの結果を比較することで画像再構成をするため、計測時のファイバの装着位置や角度を数値計算に組み込まなければならない。そこで、被験者本人の前頸部にフィットする装着再現性が高いファイバホルダであれば設計時のパラメータから装着状態を推定できると仮定し、そのようなホルダを作成した。被験者の頭頸部の解剖学的MRIを計測し、頸部表面と甲状腺の位置を抽出した。モルフォロジカルフィルタを用いて、頸部表面の形状を忠実に反映した曲面板データを生成し、光ファイバ挿入用に35箇所の穴を開けた。熱溶解積層方式の3Dプリンタでポリ乳酸樹脂を用いてホルダを造形した。作成したホルダのファイバ挿入用の穴に硫酸銅水溶液を封入した円筒状容器をマーカーとして穴に設置した。これを被験者に装着した状態で解剖学的MRIを2度撮像することで、ホルダ装着位置の再現性を評価した。このときのマーカーの位置および角度のずれはそれぞれ2.2±0.8 mm、1.7±1.0 度であり、装着再現性の高いホルダを作成することができた。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.55Annual.456