歯学生への災害医学教育—岩手医科大学歯学部での取り組み

災害が発生するたび、歯科医師はその責務と認識を改めてきた。2011年の東日本大震災をきっかけに災害医学・法歯学への関心はさらに高まり、大規模災害発生時に他職種と連携して歯科医師が様々な活動に従事できるように、全国各地で研修や訓練が盛んに行われるようになった。歯学生たちにも早期から有事の際に歯科医師として活動する意識を持たせ、その立場と責務について適切に正しく教育する必要があるが、災害歯科医学は一般的な臨床歯科医学とは異なり、実際に経験させて学ばせることが困難な領域といえる。そこで本学では実動で得られる学びができるよう取り組んでいる。特に第4学年では3日間の集中コースが組まれており、座学のほかに...

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Published inJapanese Journal of Disaster Medicine Vol. 29; no. 3; pp. 199 - 203
Main Authors 中久木, 康一, 熊谷, 章子, 菊月, 圭吾, 眞瀬, 智彦, 岸, 光男, 三浦, 廣行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本災害医学会 06.09.2024
日本災害医学会
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Summary:災害が発生するたび、歯科医師はその責務と認識を改めてきた。2011年の東日本大震災をきっかけに災害医学・法歯学への関心はさらに高まり、大規模災害発生時に他職種と連携して歯科医師が様々な活動に従事できるように、全国各地で研修や訓練が盛んに行われるようになった。歯学生たちにも早期から有事の際に歯科医師として活動する意識を持たせ、その立場と責務について適切に正しく教育する必要があるが、災害歯科医学は一般的な臨床歯科医学とは異なり、実際に経験させて学ばせることが困難な領域といえる。そこで本学では実動で得られる学びができるよう取り組んでいる。特に第4学年では3日間の集中コースが組まれており、座学のほかに被災地での歯科保健医療活動、犠牲者身元調査活動などの机上での訓練を盛り込んでいる。本稿では、本学で取り組んでいる歯学生への災害医学に関する教育について紹介する。
ISSN:2189-4035
2434-4214
DOI:10.51028/jjdisatmed.29.3_199