閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対するメッシュ使用の検討
当科で過去4年間に経験した閉鎖孔ヘルニア23例について,検討した。全例嵌頓例であり,女性であった。4例に用手還納を行い,待機手術を施行した。平均年齢は,85.7歳であり,平均Body mass index(BMI)は,17.6と痩せた高齢女性に多かった。腸管切除は,12例に施行し,内9例にメッシュ(6例にシート,3例にプラグ)を用いて対応した。死亡例は3例であったが,MRSA腸炎,喉頭炎,誤嚥性肺炎であり,メッシュ使用に起因するものは,なかった。また,発症から受診までを経時的にみた場合に,発症当日に手術を施行した症例は,7例中1例に腸管切除を施行していたが,発症から4日目以降に手術を施行した症...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 36; no. 3; pp. 575 - 577 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2016
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.36.575 |
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Summary: | 当科で過去4年間に経験した閉鎖孔ヘルニア23例について,検討した。全例嵌頓例であり,女性であった。4例に用手還納を行い,待機手術を施行した。平均年齢は,85.7歳であり,平均Body mass index(BMI)は,17.6と痩せた高齢女性に多かった。腸管切除は,12例に施行し,内9例にメッシュ(6例にシート,3例にプラグ)を用いて対応した。死亡例は3例であったが,MRSA腸炎,喉頭炎,誤嚥性肺炎であり,メッシュ使用に起因するものは,なかった。また,発症から受診までを経時的にみた場合に,発症当日に手術を施行した症例は,7例中1例に腸管切除を施行していたが,発症から4日目以降に手術を施行した症例は,5例中全例に腸管切除を施行しており,発症からの経過日数が腸管切除の適応に重要であると思われた。当科での閉鎖孔ヘルニアの手術は,midline extra peritoneal approachで行っており,患側だけでなく健側も同時に,手術を行う利点があり,反対側の再発を予防している。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.36.575 |