絞扼性イレウスに対するMDCTを用いた腸管虚血評価

絞扼性イレウス診断での造影CT動脈相の有用性を示し,そこから作成した再構成画像の診断能を検証した。当科の腸閉塞手術施行例を,病理または術中所見で虚血を認めた群(I群)と,非虚血群(N群)に分けて各CT撮像相での腸管壁,腸内容液のCT値を比較検討。I群内の虚血腸管壁と非虚血腸管壁のCT値の差も比較検討。その結果,動脈相と門脈相でI群の虚血腸管壁が有意に低値で,腸内容液はI群で有意に高値であった。I群内での虚血と非虚血腸管壁のCT値の差は動脈相で最大であった。上記結果を元に虚血腸管壁,内容液を強調する再構成画像(ileus mode)を作成。外科医3人の読影で感度,陰性的中率は3人中2人で100%...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 35; no. 4; pp. 397 - 402
Main Authors 大平, 学, 首藤, 潔彦, 河野, 世章, 当間, 雄之, 郡司, 久, 青柳, 智義, 成島, 一夫, 太田, 拓実, 花岡, 俊晴, 石井, 清香, 磯崎, 哲朗, 藏田, 能裕, 宮内, 英聡, 羽成, 直行, 松原, 久裕, 岡住, 慎一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2015
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Summary:絞扼性イレウス診断での造影CT動脈相の有用性を示し,そこから作成した再構成画像の診断能を検証した。当科の腸閉塞手術施行例を,病理または術中所見で虚血を認めた群(I群)と,非虚血群(N群)に分けて各CT撮像相での腸管壁,腸内容液のCT値を比較検討。I群内の虚血腸管壁と非虚血腸管壁のCT値の差も比較検討。その結果,動脈相と門脈相でI群の虚血腸管壁が有意に低値で,腸内容液はI群で有意に高値であった。I群内での虚血と非虚血腸管壁のCT値の差は動脈相で最大であった。上記結果を元に虚血腸管壁,内容液を強調する再構成画像(ileus mode)を作成。外科医3人の読影で感度,陰性的中率は3人中2人で100%であった。結語:絞扼性イレウスの診断において造影CTの動脈相画像を元に作成した再構成画像であるileus modeは虚血部位の視認性に優れ,腸管虚血診断に有用である可能性が示唆された。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.35.397