エラー関連処理の個人差

スキーマ理論によれば, エラー事態の認識は行為や考えを変更し得る重要なイベントであるが, その認識にはかなり大きな個人差が存在する.本稿では, エラー行為の認識に焦点を当てて, その認識に関わる情報処理の個人差を, エラー関連陰性電位 (Error-Related Negativity : ERN) のデータを参照しながら論じた.はじめに, 性格特性の個人差とERN振幅との関連性を論じ, 次に, 教育の影響を大きく受ける, 失敗に対する柔軟性という性質の個人差とERN振幅との関連性を考察した.最後に, ERNに反映される情動面と認知面の関係性に関する仮説を述べ, スキーマ理論から導かれるいくつ...

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Published in生理心理学と精神生理学 Vol. 22; no. 1; pp. 57 - 69
Main Authors 岩木, 信喜, 角守, 泉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理心理学会 2004
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ISSN0289-2405
2185-551X
DOI10.5674/jjppp1983.22.57

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Summary:スキーマ理論によれば, エラー事態の認識は行為や考えを変更し得る重要なイベントであるが, その認識にはかなり大きな個人差が存在する.本稿では, エラー行為の認識に焦点を当てて, その認識に関わる情報処理の個人差を, エラー関連陰性電位 (Error-Related Negativity : ERN) のデータを参照しながら論じた.はじめに, 性格特性の個人差とERN振幅との関連性を論じ, 次に, 教育の影響を大きく受ける, 失敗に対する柔軟性という性質の個人差とERN振幅との関連性を考察した.最後に, ERNに反映される情動面と認知面の関係性に関する仮説を述べ, スキーマ理論から導かれるいくつかの検討課題にも言及した.
ISSN:0289-2405
2185-551X
DOI:10.5674/jjppp1983.22.57