MgO-NH4H2PO4系硬化体の物性に関する研究

リン酸塩系埋没材の結合材である第一リン酸アンモニウム (NH4H2PO4) と酸化マグネシウム (MgO) の配合比を変えた5種類の試作結合材 (Mg70-P30, Mg60-P40, Mg50-P50, Mg40-P60, Mg30-P70) を作製して実験を行い, 得られた硬化体の物性評価を行った.鋳型強さはMgOの含有量が増加するにつれて大きくなり, これは焼成後の鋳型強さでも同じ傾向であった.いずれの試作結合材も硬化時には膨張することが判明したが, その膨張量はMgO含有量が低いもので大きな値であった.また試作結合材は加熱時に大きく収縮することが認められ, 700℃以上では逆に若干膨張...

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Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 23; no. 1; pp. 7 - 13
Main Authors 張, 祖太, 岡崎, 雄一郎, 玉置, 幸道, 高柴, 重幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 2003
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ISSN0285-922X
2186-5396
DOI10.11516/dentalmedres1981.23.7

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Summary:リン酸塩系埋没材の結合材である第一リン酸アンモニウム (NH4H2PO4) と酸化マグネシウム (MgO) の配合比を変えた5種類の試作結合材 (Mg70-P30, Mg60-P40, Mg50-P50, Mg40-P60, Mg30-P70) を作製して実験を行い, 得られた硬化体の物性評価を行った.鋳型強さはMgOの含有量が増加するにつれて大きくなり, これは焼成後の鋳型強さでも同じ傾向であった.いずれの試作結合材も硬化時には膨張することが判明したが, その膨張量はMgO含有量が低いもので大きな値であった.また試作結合材は加熱時に大きく収縮することが認められ, 700℃以上では逆に若干膨張する傾向が見られた.X線回折の結果によると, 試作結合材の硬化体のピークは同じであったが感度は異なっていた.Mg70-P30やMg60-P40ではSEM像観察により表面に柱状の結晶構造が認められたが, Mg30-P70, Mg40-P60では繊維状あるいは紡錘状の化合物が認められた.以上のことからMgOは鋳型の強さや硬化促進に効果的であるが, 多く含む場合に硬化膨張量が小さいことなど硬化反応が不十分に終結している可能性も示唆された.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.23.7