日本版敗血症診療ガイドラインの推奨設定における諸問題
近年,日本初の敗血症診療に関するガイドライン『日本版敗血症診療ガイドライン』が報告されたが,世界的な敗血症診療のスタンダードであるSurviving Sepsis Campaign Guideline(以下,SSCG)とはいくつかの項目において異なる推奨を提示している。ガイドライン間における推奨の乖離は,推奨の策定方法に起因するものであると考えられる。SSCGではGRADEシステムに準拠してエビデンスの質評価と推奨度を設定している。一方,日本版敗血症診療ガイドラインでは推奨の表記方法は,推奨度とエビデンスの質からなり,一見GRADEシステムに類似しているものの,その設定基準は大きく異なっている...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 34; no. 4; pp. 787 - 793 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2014
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.34.787 |
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Summary: | 近年,日本初の敗血症診療に関するガイドライン『日本版敗血症診療ガイドライン』が報告されたが,世界的な敗血症診療のスタンダードであるSurviving Sepsis Campaign Guideline(以下,SSCG)とはいくつかの項目において異なる推奨を提示している。ガイドライン間における推奨の乖離は,推奨の策定方法に起因するものであると考えられる。SSCGではGRADEシステムに準拠してエビデンスの質評価と推奨度を設定している。一方,日本版敗血症診療ガイドラインでは推奨の表記方法は,推奨度とエビデンスの質からなり,一見GRADEシステムに類似しているものの,その設定基準は大きく異なっている。本稿では,日本版敗血症診療ガイドラインについてIOM基準に従って評価するとともに,曖昧な推奨作成プロセスがガイドライン利用者の混乱をもたらす可能性がある具体例をあげ,その解決策について検討した。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.34.787 |