胃静脈瘤破裂を契機に診断された先天性門脈体循環シャントの一例

18歳男性.20XX年2月17日に,誘因なく突然の血便を認めたため当院を受診した.腹部造影CT検査にて著明な脾腫および側副血行路の発達と食道および胃静脈瘤を認め,静脈瘤破裂の診断で入院.緊急で行った上部内視鏡検査にて,胃噴門部にF2の赤色栓を伴う静脈瘤を認め胃噴門部静脈瘤破裂と診断した.67%NBCA(n-butyl-2-cyanoacrylate:HistacrylⓇ)の局注にて止血を行い,入院にて経静脈的逆行性門脈造影,腹部血管造影および経皮的肝生検を行い,先天性門脈体循環シャント(congenital porto-systemic shunt:CPS)と診断した.また,LmF2-3RC0...

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Published in肝臓 Vol. 62; no. 8; pp. 471 - 478
Main Authors 丸山, 憲一, 荻野, 悠, 小林, 康次郎, 和久井, 紀貴, 松清, 靖, 松井, 哲平, 中川, 晧貴, 大道, 泰子, 藤井, 紘大, 永井, 英成, 五十嵐, 良典, 籾山, 浩一, 天沼, 誠, 渡辺, 剛, 吉峰, 尚幸, 向津, 隆則, 澁谷, 和俊, 松井, 太吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.08.2021
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.62.471

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Summary:18歳男性.20XX年2月17日に,誘因なく突然の血便を認めたため当院を受診した.腹部造影CT検査にて著明な脾腫および側副血行路の発達と食道および胃静脈瘤を認め,静脈瘤破裂の診断で入院.緊急で行った上部内視鏡検査にて,胃噴門部にF2の赤色栓を伴う静脈瘤を認め胃噴門部静脈瘤破裂と診断した.67%NBCA(n-butyl-2-cyanoacrylate:HistacrylⓇ)の局注にて止血を行い,入院にて経静脈的逆行性門脈造影,腹部血管造影および経皮的肝生検を行い,先天性門脈体循環シャント(congenital porto-systemic shunt:CPS)と診断した.また,LmF2-3RC0の食道静脈瘤が併存していたため内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)を2回行い,第27病日に退院となった.胃噴門部静脈瘤破裂を契機に診断されたCPS症例の報告は稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.62.471