(6)エファビレンツの薬物血中濃度の測定とその臨床的意義

HAART(highly active anti-retrovirai therapy)療法における薬剤の組み合わせは, 抗ウイルス効果, 服薬アドヒアランス, 副作用を考慮して選択されている. 当院における初回治療の組み合わせは, 平成11年度まではプロテーゼ阻害剤(PI)が選択される例が多かったが, 平成12年度以降, 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)であるエファビレンツ(EFV)を含む組み合わせが多く選択される傾向にある. これまでに知られているEFVの臨床成績や薬物動態は, 主に外国人でのデータであり日本人でのデータは少ない. 今回, EFVを含むHAART療法を中心に,...

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Published in医療 Vol. 58; no. 2; pp. 99 - 101
Main Authors 藤, 純一郎, 上田, 千里, 桒原, 健, 吉野, 宗宏, 織田, 幸子, 上平, 朝子, 赤野, 威彦, 白阪, 琢磨, 北村, 良雄, 大谷, 成人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.02.2004
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.58.99

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Summary:HAART(highly active anti-retrovirai therapy)療法における薬剤の組み合わせは, 抗ウイルス効果, 服薬アドヒアランス, 副作用を考慮して選択されている. 当院における初回治療の組み合わせは, 平成11年度まではプロテーゼ阻害剤(PI)が選択される例が多かったが, 平成12年度以降, 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)であるエファビレンツ(EFV)を含む組み合わせが多く選択される傾向にある. これまでに知られているEFVの臨床成績や薬物動態は, 主に外国人でのデータであり日本人でのデータは少ない. 今回, EFVを含むHAART療法を中心に, 薬物血中濃度測定とその臨床的意義について検討を行った. 1. 対象 平成11年9月-平成14年3月の期間に当院でEFVを投薬された患者のうち, 薬物血中濃度測定について同意が得られた患者112検体を対象とした. 2. 方法 原則としてEFV服薬12時間後に採血を行った. また, 副作用の有無について問診を行い, 下記の項目について検討した. 1)国内第1相試験結果との比較 健常成人を対象に行われた国内第1相試験と当院データ12時間値の比較を行った. 2)血中濃度と精神神経副作用との関係 採血時, 精神神経系副作用を認めた群と認めなかった群について血中濃度を調査し, 両群間の有意差検定(unpaired-t-test)を行った. 3)血中濃度とEFV耐性変異HIV株の遺伝子型解析 EFV服薬中に耐性変異HIV株の出現した症例を対象に, 血中濃度と耐性出現の要因について検討を行った.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.58.99