2011年北海道で発生したサルモネラ食中毒と二次感染事例

2 月9日の給食のブロッコリーサラダに混入したサルモネラ腸炎菌(O-9型)を約2640人の小中学生と教師が摂取した.発熱,腹痛,嘔吐,下痢,血便などの胃腸炎症状を呈したのは,一次発症者1600人,入院30人,潜伏期間のピークは3日であった.ブロッコリーサラダからでた菌株と一次発症者便からでた菌株及び二次発症者便からでた菌株は,PFGEで同一菌株と同定された.二次発症者の多くは家庭内感染で,発症70人,入院6人,入院ピークは25日頃であった.3つめの波は27~40日頃で長期無症候保菌者と由来不明の幼児に認められた.一部抗菌薬を使用し学校のトイレを中心に環境介入をして,患者数の減少をみた.サルモネ...

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Published in日本環境感染学会誌 Vol. 27; no. 1; pp. 20 - 24
Main Authors 中島, 由美子, 佐藤, 俊哉, 坂下, 路絵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本環境感染学会 2012
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ISSN1882-532X
1883-2407
DOI10.4058/jsei.27.20

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Summary:2 月9日の給食のブロッコリーサラダに混入したサルモネラ腸炎菌(O-9型)を約2640人の小中学生と教師が摂取した.発熱,腹痛,嘔吐,下痢,血便などの胃腸炎症状を呈したのは,一次発症者1600人,入院30人,潜伏期間のピークは3日であった.ブロッコリーサラダからでた菌株と一次発症者便からでた菌株及び二次発症者便からでた菌株は,PFGEで同一菌株と同定された.二次発症者の多くは家庭内感染で,発症70人,入院6人,入院ピークは25日頃であった.3つめの波は27~40日頃で長期無症候保菌者と由来不明の幼児に認められた.一部抗菌薬を使用し学校のトイレを中心に環境介入をして,患者数の減少をみた.サルモネラ腸炎集団発生では早期介入と長期視点の観察が必要と思われる.
ISSN:1882-532X
1883-2407
DOI:10.4058/jsei.27.20