翻転腱板断裂に対するlow tension triple-row法の治療成績
“Fosbury flop tear”と呼ばれる翻転した断裂形態を呈する肩腱板断裂(以下,FFT)に対する手術難易度は高く,その術後成績は不良である.本研究の目的はFFTに対する低い張力下でのtriple-row法(以下,low tension TR法)の治療成績を明らかにすることである.2021年4月から2022年3月までに同一術者によるlow tension TR法を受けたFFT 12肩の臨床成績を後ろ向きに調査した.感染症例(n=1)と膠原病合併症例(n=1)を除いた10肩(平均年齢64.7歳,男性6名,女性4名,平均経過観察期間19.8か月(範囲:18~24か月))が本研究に含まれた....
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 3; pp. 641 - 643 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.73.641 |
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Summary: | “Fosbury flop tear”と呼ばれる翻転した断裂形態を呈する肩腱板断裂(以下,FFT)に対する手術難易度は高く,その術後成績は不良である.本研究の目的はFFTに対する低い張力下でのtriple-row法(以下,low tension TR法)の治療成績を明らかにすることである.2021年4月から2022年3月までに同一術者によるlow tension TR法を受けたFFT 12肩の臨床成績を後ろ向きに調査した.感染症例(n=1)と膠原病合併症例(n=1)を除いた10肩(平均年齢64.7歳,男性6名,女性4名,平均経過観察期間19.8か月(範囲:18~24か月))が本研究に含まれた.統計学的解析は,VAS,関節可動域,JOA score,UCLA scoreの術前と最終観察時との間の差に対して行われた.また術後1年のMRIで再断裂の有無を調査した.結果は,最終観察時のVAS,関節可動域,JOA score,UCLA scoreは,術前と比較して統計学的有意な改善を示した(いずれもp<0.05).また,術後1年の再断裂率は0%だった.FFTに対するlow tension TR法の治療成績は過去の報告と比べて良好であった. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.73.641 |