メタロチオネイン-IIA遺伝子発現に対するDNAへの金属結合の解析

「はじめに」メタロチオネイン(MT)遺伝子は, 種々の金属イオンに応答して誘導される. MTの発現誘導は主に遺伝子の転写活性の促進に基づいており, 金属イオンは活性化を直接制御する一因である. MT-II遺伝子のプロモーター領域には金属による誘導に関係する金属制御性配列(metal responsive element, MRE)の存在が複数個同定されており, このMREに結合し, MTの転写に関与する制御タンパク質の探索が活発に行われ, 最近になってZn2+イオンを介したMRE結合性転写因子としてMTF-1が見い出された[1]. しかし, CU2+イオンをはじめとするレドックス活性な金属によ...

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Published inBIOMEDICAL RESEARCH ON TRACE ELEMENTS Vol. 15; no. 3; pp. 281 - 283
Main Authors 田和, 理市, 桜井, 弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本微量元素学会 2004
Japan Society for Biomedical Research on Trace Elements
Subjects
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ISSN0916-717X
1880-1404
DOI10.11299/brte.15.281

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Summary:「はじめに」メタロチオネイン(MT)遺伝子は, 種々の金属イオンに応答して誘導される. MTの発現誘導は主に遺伝子の転写活性の促進に基づいており, 金属イオンは活性化を直接制御する一因である. MT-II遺伝子のプロモーター領域には金属による誘導に関係する金属制御性配列(metal responsive element, MRE)の存在が複数個同定されており, このMREに結合し, MTの転写に関与する制御タンパク質の探索が活発に行われ, 最近になってZn2+イオンを介したMRE結合性転写因子としてMTF-1が見い出された[1]. しかし, CU2+イオンをはじめとするレドックス活性な金属によるMT発現に対するMRE結合因子およびその活性化の分子機構については不明のままである. 本研究では, MT遺伝子の構造と機能に対するCu2+イオンの影響について考察するため, ヒトMT-IIAプロモーター遺伝子に存在する7個のMRE(a~g)の中のMREcとMREdに特に着目し, それらの合成オリゴヌクレオチドを用いてCu2+イオンとの結合によるDNA屈曲によるゲルシフトから見たCu2+イオンのMREsへの結合性について検討した.
ISSN:0916-717X
1880-1404
DOI:10.11299/brte.15.281