B-12. 脊椎手術における静脈血栓塞栓症の頻度および危険因子の検討

「はじめに」静脈血栓塞栓症(Venous thromboembolism: VTE)に対する医学的・社会的認識の向上に伴い, 整形外科領域では特に下肢の人工関節置換術後の合併症として注目され多くの研究がなされている. 一方で, 脊椎領域におけるVTEの研究は少なく, 脊椎手術後のVTEに関しての詳細はいまだ十分に研究されていない. しかしながら, 硬膜外血腫が危惧される脊椎手術においても, 最近では国外を中心に抗凝固薬による予防法が行われつつある現状を考えると, 今後国内でも安易に予防的抗凝固薬が使用される危険性がある. リスクの高い症例には予防的抗凝固薬の導入も検討の余地があると考えるが,...

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Published inShinzo Vol. 47; no. 7; pp. 920 - 923
Main Authors 出村, 諭, 加藤, 仁志, 石井, 孝佳, 吉岡, 克人, 五十嵐, 峻, 藤井, 衛之, 村上, 英樹, 土屋, 弘行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2015
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.47.920

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Summary:「はじめに」静脈血栓塞栓症(Venous thromboembolism: VTE)に対する医学的・社会的認識の向上に伴い, 整形外科領域では特に下肢の人工関節置換術後の合併症として注目され多くの研究がなされている. 一方で, 脊椎領域におけるVTEの研究は少なく, 脊椎手術後のVTEに関しての詳細はいまだ十分に研究されていない. しかしながら, 硬膜外血腫が危惧される脊椎手術においても, 最近では国外を中心に抗凝固薬による予防法が行われつつある現状を考えると, 今後国内でも安易に予防的抗凝固薬が使用される危険性がある. リスクの高い症例には予防的抗凝固薬の導入も検討の余地があると考えるが, そのためにも脊椎周術期VTEの実態解明が必要である. 脊椎領域における最も大きな問題点は, 単一疾患, 単一術式による検討がほとんどないことである.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.920