健常男女成人における唾液の分泌型免疫グロブリン A 濃度に対する深海鮫肝油含有食品の効果

唾液中の分泌型免疫グロブリン A (s-IgA) は,病原体の生体内侵入に対する第一線の防御機構として働き,粘膜免疫に重要な役割を担っている.深海鮫肝油 (SLO) 含有食品の健常男女成人における唾液中 s-IgA 濃度に対する効果を検討することを目的として,42 人の被験者に 1 日当り 2,400 mg(SLO として 1,500 mg)の SLO 含有食品またはプラセボを 6 週間摂取させる無作為化,二重盲検,プラセボ対照,平行群間比較試験によって有効性並びに安全性の評価を行った.介入開始前(ベースライン)と比較して,摂取 6 週目の SLO 群では s-IgA 濃度の有意な上昇 (P...

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Published in日本補完代替医療学会誌 Vol. 12; no. 1; pp. 45 - 49
Main Authors 四倉, 磨美, 瀬戸, 加代子, 水上, 知江美, 飯塚, 宗秋, 松本, 祥幸, 山本, 悦司, 山本, 哲郎, 濱舘, 直史, 矢澤, 一良, 山口, 英世, 近藤, 澄夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本補完代替医療学会 2015
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ISSN1348-7922
1348-7930
DOI10.1625/jcam.12.45

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Summary:唾液中の分泌型免疫グロブリン A (s-IgA) は,病原体の生体内侵入に対する第一線の防御機構として働き,粘膜免疫に重要な役割を担っている.深海鮫肝油 (SLO) 含有食品の健常男女成人における唾液中 s-IgA 濃度に対する効果を検討することを目的として,42 人の被験者に 1 日当り 2,400 mg(SLO として 1,500 mg)の SLO 含有食品またはプラセボを 6 週間摂取させる無作為化,二重盲検,プラセボ対照,平行群間比較試験によって有効性並びに安全性の評価を行った.介入開始前(ベースライン)と比較して,摂取 6 週目の SLO 群では s-IgA 濃度の有意な上昇 (P = 0.033) が認められたが,プラセボ群では認められなかった.またベースラインからの変化量も SLO 群のほうがプラセボ群よりも有意に高い値を示した (P = 0.030).試験期間を通して介入に関連する有害事象または一般臨床検査値の異常変動はみられなかった.以上の結果から,SLO 含有食品は,唾液中の s-IgA 濃度を上昇させる効果をもつことが示唆された.
ISSN:1348-7922
1348-7930
DOI:10.1625/jcam.12.45