サイトカインを用いた顎矯正手術における手術侵襲度の評価

「緒言」顎矯正手術の進歩と普及には目覚ましいものがあり, 口腔外科領域手術においても重要な位置を占めるようになっている. われわれ口腔外科医にとって手術侵襲を把握することは, 手術術式み決定や周術期管理を行ううえで重要であり, これまでも手術侵襲の評価法についてはいくつかの報告を認める1-4). しかし顎矯正外科領域におけるこれまでの報告では, 生体侵襲に関する客観的な評価がなされているとは言い難い. 近年, さまざまなサイトカインの役割が明らかとなり5), 生体侵襲の評価において血中サイトカイン濃度の測定が有用であることが報告されている6, 7). そこでわれわれは, 明らかに手術侵襲に差が...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 14; no. 1; pp. 35 - 42
Main Authors 江良, 謙次, 松下, 賢, 吉澤, 信夫, 柴田, 考典, 小関, 清子, 高橋, 晃治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 2004
日本顎変形症学会
Subjects
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.14.35

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Summary:「緒言」顎矯正手術の進歩と普及には目覚ましいものがあり, 口腔外科領域手術においても重要な位置を占めるようになっている. われわれ口腔外科医にとって手術侵襲を把握することは, 手術術式み決定や周術期管理を行ううえで重要であり, これまでも手術侵襲の評価法についてはいくつかの報告を認める1-4). しかし顎矯正外科領域におけるこれまでの報告では, 生体侵襲に関する客観的な評価がなされているとは言い難い. 近年, さまざまなサイトカインの役割が明らかとなり5), 生体侵襲の評価において血中サイトカイン濃度の測定が有用であることが報告されている6, 7). そこでわれわれは, 明らかに手術侵襲に差があると考えられる下顎枝矢状分割法(以下BSROと略す)単独施行による下顎骨形成術施行症例とLe Fort I型骨切り術およびBSROによる上下顎移動術施行症例において各種血清サイトカイン濃度を測定し, 生体侵襲度の評価を行い, これらが手術侵襲を評価するのに有用なマーカーとなりうるかを検討した.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.14.35