腹腔鏡補助下幽門側胃切除を行った血管走行破格を伴う胃癌の1例

症例は37歳,男性.嘔吐,上腹部痛を自覚し当院を受診.上部消化管内視鏡検査にて胃角部小彎に0-II c病変を認め,生検にて胃癌の診断となった.術前に施行した造影CTにて腹腔動脈の血管走行に破格が認められた.腹腔動脈の分岐様式を分類したAdachi分類では本症例はVI型であり,左胃動脈と脾動脈が共通幹を形成し,総肝動脈が欠損する非常に稀な型であった.血管走行の正確な把握は安全な手術に不可欠である.十分な術前画像評価を行うことで,稀な血管走行の破格を伴う胃癌に対して安全に腹腔鏡手術を施行することが可能であった....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 83; no. 3; pp. 510 - 513
Main Authors 吉岡, 佑一郎, 金沢, 孝満, 谷本, 芽弘理, 仲吉, 朝基
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2022
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.83.510

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Summary:症例は37歳,男性.嘔吐,上腹部痛を自覚し当院を受診.上部消化管内視鏡検査にて胃角部小彎に0-II c病変を認め,生検にて胃癌の診断となった.術前に施行した造影CTにて腹腔動脈の血管走行に破格が認められた.腹腔動脈の分岐様式を分類したAdachi分類では本症例はVI型であり,左胃動脈と脾動脈が共通幹を形成し,総肝動脈が欠損する非常に稀な型であった.血管走行の正確な把握は安全な手術に不可欠である.十分な術前画像評価を行うことで,稀な血管走行の破格を伴う胃癌に対して安全に腹腔鏡手術を施行することが可能であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.83.510