グループ療法がもたらす慢性痛診療―“いたみサロン”の試みについての報告

【目的】慢性痛患者へのグループ療法を保険診療下のもとに行い,その有効性について検討した.【方法】3カ月以上続く,体のさまざまな部位の痛みを訴える慢性痛患者12名に,月1回の頻度でグループ療法“いたみサロン”に参加していただいた.“いたみサロン”の目的は,痛みを抱える患者同士が集い,悩みや思いを医療者のいる前で対話を行いながら,自らの痛みに対する考えやとらえ方を客観視し,何かしらの気づき,洞察を得る機会を提供することである.【結果】総計12名の参加者のうち,4回以上参加した患者は5名であった.参加者の感想文からは,本治療の有効性や可能性を指摘する内容をみることができた.【結論】慢性痛患者へのグル...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 29; no. 5; pp. 71 - 76
Main Authors 五十嵐, 香, 平林, 万紀彦, 平井, 美佳, 北原, 雅樹, 冨永, 陽介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.05.2022
日本ペインクリニック学会
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ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.21-0030

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Summary:【目的】慢性痛患者へのグループ療法を保険診療下のもとに行い,その有効性について検討した.【方法】3カ月以上続く,体のさまざまな部位の痛みを訴える慢性痛患者12名に,月1回の頻度でグループ療法“いたみサロン”に参加していただいた.“いたみサロン”の目的は,痛みを抱える患者同士が集い,悩みや思いを医療者のいる前で対話を行いながら,自らの痛みに対する考えやとらえ方を客観視し,何かしらの気づき,洞察を得る機会を提供することである.【結果】総計12名の参加者のうち,4回以上参加した患者は5名であった.参加者の感想文からは,本治療の有効性や可能性を指摘する内容をみることができた.【結論】慢性痛患者へのグループ療法の可能性について十分に期待できるものと示唆された.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.21-0030