歩行獲得に難渋したサイム切断例に対する早期簡易的義足の使用による効果
【目的】本症例報告では,歩行獲得に難渋した全層植皮によるサイム切断例に対し,早期簡易的義足の使用による効果の検証を目的とした。【症例】55 歳,男性。創治癒が不良で,断端痛・幻肢痛により断端末荷重が不良であったサイム切断例。早期荷重を可能とするために,入院早期から脚長差に対し簡易的義足を作製し,仮治療用義足の作製までの34 日間を使用した。その結果,断端痛・幻肢痛の改善に伴い,入院時は歩行不能であったが,退院時に義足使用による屋外松葉杖歩行が2,000 m まで可能となった。【結語】本症例では,早期から脚長差を補完するために簡易的義足を用いて理学療法を行うことで,脚長差による異常歩行を予防し,...
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Published in | 理学療法学 Vol. 49; no. 2; pp. 162 - 168 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本理学療法学会連合
2022
日本理学療法学会連合 |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.12083 |
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Summary: | 【目的】本症例報告では,歩行獲得に難渋した全層植皮によるサイム切断例に対し,早期簡易的義足の使用による効果の検証を目的とした。【症例】55 歳,男性。創治癒が不良で,断端痛・幻肢痛により断端末荷重が不良であったサイム切断例。早期荷重を可能とするために,入院早期から脚長差に対し簡易的義足を作製し,仮治療用義足の作製までの34 日間を使用した。その結果,断端痛・幻肢痛の改善に伴い,入院時は歩行不能であったが,退院時に義足使用による屋外松葉杖歩行が2,000 m まで可能となった。【結語】本症例では,早期から脚長差を補完するために簡易的義足を用いて理学療法を行うことで,脚長差による異常歩行を予防し,円滑に義足歩行へ移行するために有効であった。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.12083 |