Adaptive servo ventilationによる交感神経活動に対する急性効果

背景:慢性心不全では重症ほど交感神経活動が亢進し,浅く速い呼吸や不安定な呼吸になりやすい.また,心不全において1回換気量と筋交感神経活動には負の相関関係が認められる. 目的:われわれは心不全における異常な呼吸様式に対してadaptive servo ventilation(ASV)で介入することにより交感神経活動を制御できるか筋交感神経活動(muscle sympathetic nerve activity;MSNA)を用い検討した. 結果:呼吸の不安定性の指標により定義した呼吸様式の異常はMSNAと関連した.ASVによる呼吸サポートは,周期性呼吸を有する心不全患者において呼吸様式を安定化させ...

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Published in心臓 Vol. 44; no. 12; pp. 1589 - 1592
Main Authors 平井, 忠和, 麻野井, 英次, 原田, 大輔, 井上, 博, 城宝, 秀司, 織田, 慶孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.12.2012
日本心臓財団・日本循環器学会
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.44.1589

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Summary:背景:慢性心不全では重症ほど交感神経活動が亢進し,浅く速い呼吸や不安定な呼吸になりやすい.また,心不全において1回換気量と筋交感神経活動には負の相関関係が認められる. 目的:われわれは心不全における異常な呼吸様式に対してadaptive servo ventilation(ASV)で介入することにより交感神経活動を制御できるか筋交感神経活動(muscle sympathetic nerve activity;MSNA)を用い検討した. 結果:呼吸の不安定性の指標により定義した呼吸様式の異常はMSNAと関連した.ASVによる呼吸サポートは,周期性呼吸を有する心不全患者において呼吸様式を安定化させ筋交感神経活動を抑制した. 結語:心不全における交感神経活動亢進には呼吸異常が関係し,ASVによる呼吸様式の正常化が交感神経活動の制御を介した慢性心不全治療の新たな選択肢となる可能性がある.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.44.1589