勤労者の日常生活下における行動、心理、生理状態の統合連続モニタリング

勤労者におけるこころの健康の維持、あるいはその不調検知のためには、日々の労務状況に加え、心身の状態、他者との関わりなど、様々な要因を多角的に検討する必要がある。これらの要因は、センシングデバイスの普及等により、日常生活下で同時かつ連続的に測定することが可能になってきた。本研究では勤労者約300名を対象とし、スマートフォンを用いたecological momentary assessment(EMA)による気分・身体症状等の繰り返し調査と、自発活動・睡眠の連続測定を、約1週間実施した。EMAは行動医学の分野で最も妥当性のある手法とされており、最大の特徴は、日常生活下における事象を、その場、その時...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S225
Main Authors 山本, 義春, 中村, 亨, 志村, 広子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual56.S225

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Summary:勤労者におけるこころの健康の維持、あるいはその不調検知のためには、日々の労務状況に加え、心身の状態、他者との関わりなど、様々な要因を多角的に検討する必要がある。これらの要因は、センシングデバイスの普及等により、日常生活下で同時かつ連続的に測定することが可能になってきた。本研究では勤労者約300名を対象とし、スマートフォンを用いたecological momentary assessment(EMA)による気分・身体症状等の繰り返し調査と、自発活動・睡眠の連続測定を、約1週間実施した。EMAは行動医学の分野で最も妥当性のある手法とされており、最大の特徴は、日常生活下における事象を、その場、その時点で評価・記録することにある。EMAで取得されるデータは経時的な繰り返しデータであり、調査参加者個人にネストされた(入れ子状になった)データ構造となる。また、得られた個々のEMAのデータには、対応する自発活動の連続時系列データが存在し、さらに、年齢や健康状態などの個人特性を表すデータも付随する。本研究では、このように複雑な構造を持つ大規模データに対してマルチレベルモデルによる分析を行ったところ、活動量の低下が抑うつ気分および不安気分の増悪と関連する等の結果が得られた。本セッションでは具体的な分析例をいくつか紹介する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S225