口腔癌の頸部リンパ節転移に対する画像診断法とその診断能

頭頸部癌の頸部リンパ節転移に対する画像診断法として, CTや超音波診断法などが利用されている。著者らはこれらの画像診断法における転移の診断基準および診断精度 (感度, 特異度, 正診率) について文献考察を行った。また, これらの画像診断法により頸部リンパ節転移を予測するために, その診断効率を検討した。さらに, 著者らの分析結果によるCT, Bモード超音波診断法およびPowerDoppler法による診断基準, およびPPV, NPVについて述べるとともに, 当診療科における頸部リンパ節転移検索の方法を説明した。 CTを用いた場合の診断能は, 感度は49%~100%, 特異度は38%~100%...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 16; no. 3; pp. 75 - 84
Main Authors 神田, 重信, 河津, 俊幸, 湯浅, 賢治, 筑井, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 2004
日本口腔腫瘍学会
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.16.75

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Summary:頭頸部癌の頸部リンパ節転移に対する画像診断法として, CTや超音波診断法などが利用されている。著者らはこれらの画像診断法における転移の診断基準および診断精度 (感度, 特異度, 正診率) について文献考察を行った。また, これらの画像診断法により頸部リンパ節転移を予測するために, その診断効率を検討した。さらに, 著者らの分析結果によるCT, Bモード超音波診断法およびPowerDoppler法による診断基準, およびPPV, NPVについて述べるとともに, 当診療科における頸部リンパ節転移検索の方法を説明した。 CTを用いた場合の診断能は, 感度は49%~100%, 特異度は38%~100%であった。Bモード超音波診断法を用いた場合の診断能は, 感度は58%~95%, 特異度は37%~96%であった。ドップラー超音波診断法では, 感度は55%~98%, 特異度は77%~100%であった。これらの結果から, CTにより頸部リンパ節転移を予測できるPPVは91%であり, Bモード超音波診断法のPPVは97%で, ドップラー超音波診断法のPPVは87%となった。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.16.75