頚椎椎間関節性疼痛の分析

ペインクリニックにおいて後頚部や後頭部痛あるいは肩甲部の痛みを訴える患者は少なくない. 側頚部の椎間関節に一致した部分に圧痛がみられる患者には, 頚椎椎間関節ブロックの効果の高いものも多く, それらは椎間関節由来の痛みと思われる. Aprillら2)は頚部痛の患者に椎間関節ブロックを行った結果から, 頚椎椎間関節に起因する痛みが一般に認識されている以上に多いことを報告している. このように椎間関節由来の頚部痛は日常多くみられ, 頚椎椎間関節は後頚部や後頭部あるいは肩甲部の主要な痛みの発生源だと思われる2, 6). しかしそれぞれの椎間関節に起因する痛みがどのような部位に放散するか, どのように...

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Published inPAIN RESEARCH Vol. 11; no. 1; pp. 29 - 34
Main Authors 湯田, 康正, 羽尻, 裕美, 大瀬戸, 清茂, 塩谷, 正弘, 小澤, みどり, 長沼, 芳和, 唐澤, 秀武, 有村, 聡美, 大野, 健次, 福井, 晴偉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本疼痛学会 31.03.1996
日本疼痛学会
Subjects
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ISSN0915-8588
2187-4697
DOI10.11154/pain.11.29

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Summary:ペインクリニックにおいて後頚部や後頭部痛あるいは肩甲部の痛みを訴える患者は少なくない. 側頚部の椎間関節に一致した部分に圧痛がみられる患者には, 頚椎椎間関節ブロックの効果の高いものも多く, それらは椎間関節由来の痛みと思われる. Aprillら2)は頚部痛の患者に椎間関節ブロックを行った結果から, 頚椎椎間関節に起因する痛みが一般に認識されている以上に多いことを報告している. このように椎間関節由来の頚部痛は日常多くみられ, 頚椎椎間関節は後頚部や後頭部あるいは肩甲部の主要な痛みの発生源だと思われる2, 6). しかしそれぞれの椎間関節に起因する痛みがどのような部位に放散するか, どのように頚肩背部痛の疼痛源になるかを調べた報告は少ない1, 10, 12, 17). またC 0/1からC 1/2を含めてC 7/Th 1までの全ての関節について頚椎椎間関節由来の関連痛の検索をした報告はない. 今回C 0/1からC 7/Th 1までの頚椎椎間関節由来の関連痛を検索するため, 椎間関節造影・ブロックを施行し, 各々の椎間関節がどの部位の痛みの原因になっているか調べ, 椎間関節関連痛の部位チャートを作った.
ISSN:0915-8588
2187-4697
DOI:10.11154/pain.11.29