左小開胸にて切除した右心室原発神経鞘腫の1手術例

神経鞘腫は末梢神経の構成細胞であるSchwann細胞由来と考えられる良性腫瘍で,増殖は緩徐である.一般的には成人にみられ,多くは皮下組織や筋肉などの軟部組織に発生する.心臓および心膜に発生する神経性腫瘍は,心臓に分布する迷走神経あるいは心臓神経叢から発生すると考えられ,本邦で右心室原発の神経鞘腫は悪性神経鞘腫の報告が1例報告されているのみである. 症例は66歳,女性.2014年消化器内科にて撮影されたCT検査にて心外膜と接する腫瘍(30×27 mm)を指摘された.拡大傾向にあるため,2019年9月に人工心肺使用心拍動下,左小開胸にて腫瘍摘出術を施行した.病理検査で右心室原発神経鞘腫と診断された...

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Published in心臓 Vol. 52; no. 6; pp. 658 - 662
Main Authors 配島, 功成, 工藤, 樹彦, 中嶋, 信太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.06.2020
日本心臓財団・日本循環器学会
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.52.658

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Summary:神経鞘腫は末梢神経の構成細胞であるSchwann細胞由来と考えられる良性腫瘍で,増殖は緩徐である.一般的には成人にみられ,多くは皮下組織や筋肉などの軟部組織に発生する.心臓および心膜に発生する神経性腫瘍は,心臓に分布する迷走神経あるいは心臓神経叢から発生すると考えられ,本邦で右心室原発の神経鞘腫は悪性神経鞘腫の報告が1例報告されているのみである. 症例は66歳,女性.2014年消化器内科にて撮影されたCT検査にて心外膜と接する腫瘍(30×27 mm)を指摘された.拡大傾向にあるため,2019年9月に人工心肺使用心拍動下,左小開胸にて腫瘍摘出術を施行した.病理検査で右心室原発神経鞘腫と診断された. 今回我々は,偶発的に発見された右心室原発神経鞘腫を経験したので,文献的考察を加え報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.52.658