電気味覚検査の中耳術前検査としての有用性

中耳術前診断における電気味覚検査の有用性を調べるため, 97名106耳について疾患別および術中所見と鼓索神経領域の電気味覚閾値を対比検討した. 慢性中耳炎では味覚閾値は正常例とほぼ同じであったが, 弛緩部型真珠腫, 緊張部型真珠腫および癒着性中耳炎, 既手術例の順で上昇し, 特に既手術例では高度障害例が多かった. また電気味覚閾値は鼓室後上部の術中所見とよく相関していた. 電気味覚検査により鼓索神経の状態を術前に予測することは術式選択の上でも重要であり, 本検査は中耳術前検査として有用と考えられた....

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 99; no. 11; pp. 1635 - 1640,1725
Main Authors 斎, 由美子, 八木沼, 裕司, 小林, 俊光, 高坂, 知節
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.11.1996
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.99.1635

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Summary:中耳術前診断における電気味覚検査の有用性を調べるため, 97名106耳について疾患別および術中所見と鼓索神経領域の電気味覚閾値を対比検討した. 慢性中耳炎では味覚閾値は正常例とほぼ同じであったが, 弛緩部型真珠腫, 緊張部型真珠腫および癒着性中耳炎, 既手術例の順で上昇し, 特に既手術例では高度障害例が多かった. また電気味覚閾値は鼓室後上部の術中所見とよく相関していた. 電気味覚検査により鼓索神経の状態を術前に予測することは術式選択の上でも重要であり, 本検査は中耳術前検査として有用と考えられた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.99.1635