アルブミン製剤の適正使用は外科領域で可能なのか

「I はじめに」わが国はアルブミン製剤の大量消費国として知られ, 諸外国からの輸入量が多く, 問題となってきた. 血液製剤は倫理的観点から自国内での自給を目指すことが国際的な原則となっている. そのため, 厚生労働省は, 血液製剤の使用指針を示すとともに, 輸血適正使用加算の必要条件としてアルブミン製剤の使用量を赤血球濃厚液の使用量で除した値が2未満であることを加え, アルブミン製剤の使用量削減を図ってきた. これらの取り組みによって, 1985年にはわずか5%であったアルブミン製剤の自給率は2015年には56.4%まで上昇し, 総使用量も1999年の226.8万リットルから2015年の125...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 52; no. 5; pp. 205 - 209
Main Author 深柄, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 15.10.2018
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ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.52.5_205

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Summary:「I はじめに」わが国はアルブミン製剤の大量消費国として知られ, 諸外国からの輸入量が多く, 問題となってきた. 血液製剤は倫理的観点から自国内での自給を目指すことが国際的な原則となっている. そのため, 厚生労働省は, 血液製剤の使用指針を示すとともに, 輸血適正使用加算の必要条件としてアルブミン製剤の使用量を赤血球濃厚液の使用量で除した値が2未満であることを加え, アルブミン製剤の使用量削減を図ってきた. これらの取り組みによって, 1985年にはわずか5%であったアルブミン製剤の自給率は2015年には56.4%まで上昇し, 総使用量も1999年の226.8万リットルから2015年の125.4万リットルまで減ってきた. しかし, 国内での完全自給への道はまだまだ険しい. 本稿では, 外科領域でのアルブミン製剤使用削減が可能なのか否か, 投与の意義と効果, 当院でのアルブミン製剤使用量の科別推移, 外科医の意識調査の結果について示し考察を加える.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.52.5_205